大学病院でクラスター感染が起きた話

こんな時期にブログを始めたからには触れずにはいられないのが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の話。

最近では福岡県の北九州市で第二波が~とかテレビで流れてますね。

色々と不安がありますが、医学生に特有の不安を上げるとすれば実習問題です。

医学部では大体4年の後期、もしくは5年生から実際に病院の中でポリクリと呼ばれる実習を行います。1つの科を1,2週間かけて回りそれを丸1年続けるという精神的にも体力的にもつらいのがポリクリです。

 

しかし、現在、COVID-19によって主に都市部の大学では院内感染を防ぐために院内に学生を入れないようにしています。その結果、病棟で実際に患者さんに接することで学ぶ機会が減り、ただ実習という名目でオンライン講義が1日に数十分行われるだけの時間が過ぎています。(私自身もその状況下に置かれています)

一方、都市部から離れた大学では、最大限感染予防を行いながらポリクリを院内で行っているようです。

 

こうした状況では、実際に患者さんに接して学んだ学生とそうでない学生の差が生じることは言うまでもありません。

正直なところ、今後の就職活動(マッチング)や国家試験、初期研修など医師としてのキャリアにおいて悪影響が出るのではないかと心配しています。

いくら座学で学習をしたところで、接遇や診察、手技などを学ぶには実地が一番です。

 

今回、産業医科大学病院でクラスター感染が起きた可能性があるようです。

 

実習をさせていただいている場でのクラスター感染の発生は、残念ながら本来の実習の再開を遠ざけることになります。

日々、患者さんと向き合い懸命に治療にあたっているスタッフの方々には申し訳ないですが、大学病院ではこのようなことは起きないでほしかったです。

 

産業医科大の方とは部活で交流があり、年に何度かお会いしますが、彼らの実習がどうなるのかとても心配です。このような状況だと医療資源を感染者治療に注ぐために教育が犠牲になり、オンラインでも実習は難しいのではないかと思ったりもします。

 

弊学も距離は離れていますが、このようなことにならないとはとても言えません。

ぜひとも第二波の低減と一刻も早いコロナ禍の終息を祈るばかりです。